不動産小口化商品と似たシステムの投資方法として「クラウドファンディング」や「REIT」があります。しかし、これらは一体どのような差があるのでしょうか？詳しく見ていきましょう。
少額で投資可能な方法としては不動産小口化商品だけでなく、クラウドファンディングやREITも挙げられます。本来ならば高額な費用がかかるところ、責任やコストを分散できるのが共通点という印象ですが、実際には少しずつ異なる部分が存在するようです。今回はメリットとデメリット、投資方法の視点から、それぞれ比較してみました。
不動産小口化商品は、不動産に対する権利やコストを小口化することで、より気軽に投資を行いやすくしたもののこと。一般の投資家が単独で購入できないような高額物件にチャレンジ可能なほか、任意組合型であれば不動産の所有権を得ることも可能です。
あらかじめ商品を販売している事業者が選定した物件に投資できるのも魅力で、管理や運用の手間もかからないので、比較的リスクは少ないと言えます。
ただし、不動産小口化商品はローンが組めませんから、必ず自己資金が必要となります。また、元本保証がなく、途中で解約できない商品が存在する点も押さえておきましょう。
| 投資対象 | 住居・商業ビルなど多様な物件 |
|---|---|
| 運用方法 | 1つの物件を共同出資 |
| 最低費用 | 数十万円〜 |
| 不動産選定方法 | 自分で選択可能 |
| 換金・流動性 | 低い |
| 管理コスト | なし |
クラウドファンディングは事業者が投資家を集め、その出資金を元手にして不動産を購入・運用するというもの。不動産小口化商品の「匿名組合型」として販売されているケースもあり、物件の所有権は得られない一方で、より少額、かつ短期間で投資可能なのが特徴です。
クラウドファンディングは基本的にネットでの手続きのみ、かつ1万円程度からと少額で投資できます。株価や金利などの影響を受けにくいので、より低リスクの商品に出資したい方にもおすすめです。
ただし、クラウドファンディングも途中で解約できない商品が存在するほか、運用期間が短いため流動性が低いのが注意点。気軽な分人気物件は早い者勝ちになる恐れもあるので、ぜひこまめにチェックしたいですね。
| 投資対象 | 住居・商業ビルなど多様な物件 |
|---|---|
| 運用方法 | 1つの物件を共同出資 |
| 最低費用 | 1万円〜 |
| 不動産選定方法 | 自分で選択可能 |
| 換金・流動性 | 低い |
| 管理コスト | なし |
REIT（リート）は、専門家である投資法人が投資家たちから集めた資金を元手に不動産投資を行い、その収益を分配するもの。これだけならクラウドファンディングとほぼ同じように思えますが、不動産ではなく事業者が発行する投資証券を購入する、という形になるのが特徴です。
何といっても、収益の多くを投資家へ分配する仕組みとなっているのがREITの魅力。NISAの非課税枠を活用することもでき、専門家による運用なので初心者の方もチャレンジしやすいでしょう。
ただし、証券商品であるがゆえに市場の動きと連動しやすく、金利や災害、上場廃止などの影響を受けやすいのがデメリットなので、押さえておきたいですね。
| 投資対象 | 住居・商業ビルなど多様な物件 |
|---|---|
| 運用方法 | 証券への投資 |
| 最低費用 | 数万円〜 |
| 不動産選定方法 | 投資のプロが対応 |
| 換金・流動性 | 高い |
| 管理コスト | なし |
不動産小口化商品：不動産のプロが厳選した物件
クラウドファンディング：不動産を購入・運用する事業者･･･投資のリターンは収益を分配してもらう権利
REIT：投資商品（投資信託）･･･仲介事業者（専門家）が選定・購入する不動産が対象
不動産小口化商品：専門の管理会社が運用を行う
クラウドファンディング：投資対象となる事業者もしくはその事業者が選定・依頼する管理会社が行う
REIT：管理者としてREITが運用・管理を行う
不動産小口化商品：1口１００万円～１，０００万円程度から購入が可能であり、管理コストも不要
クラウドファンディング：最低投資金額１万円からと低額であり、管理コストも不要
REIT：最低投資金額が数万円からと低額であり、管理コストも不要
不動産小口化商品：途中で解約できない商品があり、解約できるケースでも仲介が必要になりすぐ資金化はできないことが多い
クラウドファンディング：途中で解約できない商品が多いため、資金化することができない
REIT：証券市場で売買できるため、資金化が容易
不動産小口化商品：不動産と同様に相続が可能、持ち分地積が小さく計算されることから圧縮率が高いため節税対策に活用できる
クラウドファンディング：不動産と同様に相続が可能、「任意組合型」を選択すると節税効果が期待できる
REIT：投資信託として相続することが可能だが、時価が変動するため評価額には注意が必要
不動産小口化商品とクラウドファンディング、そしてREITは同じように少額投資が可能ですが、それぞれに強みが異なります。特に違いとして大きいのは、相続対策ができるか、という点。不動産小口化商品であれば、現物の不動産投資と同様に相続対策に繋がります。
当サイトでは、相続対策にもつながる不動産小口化商品を特集しています。ぜひ投資商品を検討する際の参考にしてください。
※選定基準：国土交通省が出している「不動産特定共同事業者許可一覧」（https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk5_000001_00014.html）の中で、第一号事業または第二号事業をもっていて、一都三県の物件を扱う業者のうち、任意組合型の不動産小口化商品を扱う会社の中から、下記の理由で選定。
・湘南ユーミーまちづくりコンソーシアム...安定性の高い住居系の物件を扱う中で、100万円からの少額投資に対応、かつ運用実績(分配率)を明記していてその最低利率が最も高い(実績:3.25%~4.29%)
・青山財産ネットワーク...唯一都心3区(千代田区・港区・中央区)すべての物件を扱う
・東急リバブル...グループを含む2023年度賃貸管理戸数が最も多い。
※1参照元:湘南ユーミーまちづくりコンソーシアム公式HP（https://www.you-me-machidukuri.co.jp/machishare/）
※2参照元:全国賃貸住宅新聞（https://www.zenchin.com/news/2023150.php）
