利回りは、投資物件を決める際に重要な指標の一つ。ここでは、FP監修のもと利回りの意味や不動産小口化商品における利回りについて解説します。
利回りとは、物件購入金額に対して、1年間の収入がどれくらいの割合かを示したもの。物件の収益力を計る指標となります。主に、「表面利回り」と「実質利回り」の二つがあります。
表面利回りとは「想定される年間収入を物件の購入価格で割った」もの。基本的には以下の公式で求めることが可能です。
不動産小口化商品は、運営する際に諸経費がかかるため、表面利回りだけをみて商品を選ぶと、実際の収益とのギャップが出てきます。そのため、次に紹介する実質利回りをみて判断するようにしましょう。
実質利回りとは「年間の収入から諸経費を差し引き、その収益を購入価格で割った」もの。以下の公式で求めることができます。
諸経費とは一般的に固定資産税や都市計画税、火災保険料、管理費、修繕費などが挙げられます。つまり、実質利回りで算出した方が、表面利回りよりもリアルな数値となります。
不動産小口化商品のうち、匿名組合型の場合は実質利回りが採用されるケースが多いと言われていますが、任意組合型は表面利回りで記載されることもあります。その場合は、諸経費を算出して計算し、リアルに近い数値を確認しておくとよいでしょう。
不動産小口化商品の利回りは「利回り約2%~7%」が相場だと言われています。実物不動産投資の場合は「平均約5~10%」とされているため、それに比べるとやや低い水準だと言えるでしょう。
不動産小口化商品の利回りが低い理由としては、基本的に「資産価値が下がりにくい人気エリアで運用を行う、低リスク・低リターンだから」だと考えられます。不動産投資は基本的に予定されている分配金の変動リスクがある場合は高い利回りが設定され、安定している場合は低い利回りが設定される傾向があるのです。
また、不動産小口化商品は物件の管理・運用を事業者に頼れるため、オーナーとしての手間がかからない分そのコストが差し引かれがちな部分もあります。
一方で、実物不動産投資は高い利回りの反面、自身で物件を管理・運営・補修する必要があり、手間がかかります。不動産小口化商品は、そうした手間を極力減らすことができるのです。
不動産小口化商品は一般的な不動産投資に比べると利回りは低いものの、その分安定性が高く手間もかからない商品です。当サイトでは不動産小口化商品の選び方についても解説しています。ぜひ参考にしてください。
薄井 美朗 氏
■略歴:昭和44年生まれ。大学卒業後、都市銀行にて8年勤務し、小規模企業から年商1000億円規模の上場企業を担当。その後20年、TAO税理士法人にて幅広い業種を担当し、身近な相談相手として活躍中。
FPとして不動産、税金、金融、保険など、法人・資産家向けの相談業務を遂行する傍ら、 不動産に関するコンサルティングや各種記事の監修を務めています。
■保有資格:税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者
※選定基準:国土交通省が出している「不動産特定共同事業者許可一覧」(https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk5_000001_00014.html)の中で、第一号事業または第二号事業をもっていて、一都三県の物件を扱う業者のうち、任意組合型の不動産小口化商品を扱う会社の中から、下記の理由で選定。
・湘南ユーミーまちづくりコンソーシアム...安定性の高い住居系の物件を扱う中で、100万円からの少額投資に対応、かつ運用実績(分配率)を明記していてその最低利率が最も高い(実績:3.25%~4.29%)
・青山財産ネットワーク...唯一都心3区(千代田区・港区・中央区)すべての物件を扱う
・東急リバブル...グループを含む2023年度賃貸管理戸数が最も多い。
※1参照元:湘南ユーミーまちづくりコンソーシアム公式HP(https://www.you-me-machidukuri.co.jp/machishare/)
※2参照元:全国賃貸住宅新聞(https://www.zenchin.com/news/2023150.php)