不動産信託受益権とは「不動産信託の信託財産になっている不動産物件から収益を獲得する受益者の持つ権利」のことをいいます。現物の不動産を所有しているものと異なり、不動産を小口化して取り扱うことから相続や贈与がしやすく、管理の手間も減らせます。ここでは仕組みやメリットなどについて解説していきますので、ぜひチェックしてください。
不動産信託受益権で収益を獲得する流れは以下の通りです。
不動産資産を売却する手続きの場合、資産の所有権が売り主から買い主に譲渡されることが一般的ですが、近年では不動産を一旦信託銀行などに信託してそこから得られる家賃収入などといった経済的利益を受け取る権利を売買する形の取引形態が多くなっています。なお、「不動産信託受益権」は金融証券取引法第2条第2項第1号に定められており、有価証券の一種として扱われることから売買やその媒介行為をする際には同法の規制対象となります。
現物不動産への投資と信託受益権への投資の最大の違いは初期投資に必要な資金です。現物不動産は購入するにあたって多額の資金が必要であり、自己資金で不足する場合には借入を行うなどして購入時に一括決済しなければいけません。しかし不動産信託受益権であれば物件の本体価格が高額であっても100万円~1,000万円という比較的少額からの投資が可能となっています。自己資金のみでも投資ができる規模であることから、借入比率を抑えられる・利息負担が軽減できるという違いもあります。
投資商品はその種類によって異なるメリットやデメリット・リスクがありますので、検討している商品にどういったメリットがあるかを押さえておくことは非常に重要です。ここではいくつかメリットを紹介しますので、ぜひしっかりと学んでおきましょう。
不動産小口信託受益権の対象となる物件は、その多くが主に都心のオフィスや賃貸住宅となっています。通常このクラスの不動産物件を購入しようと思うと億単位の資金が必要になりますので、自己資金や借入金で多額の投資資金を用意しなければいけません。一方不動産小口信託受益権で投資を行うことにより小額からでも投資することができますし、購入や管理も信託会社が行うことから投資家は手間をかけずに運用することが可能です。気軽に優良物件に投資ができるというのは非常に大きなメリットです。
トラブルが起きやすい相続場面を想定した時、不動産資産を保有していると物理的に分けることが難しいため分割協議でまとまりづらくなる恐れがあります。しかし不動産信託受益権は口数単位で分割できるという強みがありますので、相続時や贈与時において金曜に分割して分与することが可能です。実際に現物不動産の相続においては遺産分割の話し合い問題が生じるのはよくある事例として挙げられます。トラブルを避けて公平な分配がしやすくなるのは大きなメリットです。
上記で紹介したメリットのほか、不動産管理の手間がほとんどかからない、倒産リスクから隔離することができるなどのメリットもあります。
信託受益権のメリットはここまで紹介した通りですが、反対に「商品数が少ないためなかなか買えない」「利回りが比較的低い」「収益・元本に対する保証がない」などのデメリットもあります。メリット・デメリットの両方を踏まえてじっくり検討したうえで投資を実行するかどうかの意思決定を行うようにしましょう。
※選定基準:国土交通省が出している「不動産特定共同事業者許可一覧」(https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk5_000001_00014.html)の中で、第一号事業または第二号事業をもっていて、一都三県の物件を扱う業者のうち、任意組合型の不動産小口化商品を扱う会社の中から、下記の理由で選定。
・湘南ユーミーまちづくりコンソーシアム...安定性の高い住居系の物件を扱う中で、100万円からの少額投資に対応、かつ運用実績(分配率)を明記していてその最低利率が最も高い(実績:3.25%~4.29%)
・青山財産ネットワーク...唯一都心3区(千代田区・港区・中央区)すべての物件を扱う
・東急リバブル...グループを含む2023年度賃貸管理戸数が最も多い。
※1参照元:湘南ユーミーまちづくりコンソーシアム公式HP(https://www.you-me-machidukuri.co.jp/machishare/)
※2参照元:全国賃貸住宅新聞(https://www.zenchin.com/news/2023150.php)